RAIONN
RAION狩り
『ベンガルタイガー』その3
次の瞬間、虎は立ち上がり、見るものをすくみ上がらせる大迫力で咆哮した。
すると一瞬、虎が電撃を受けたようにのけぞり、もんどり打って倒れた・・・・。
ベンガルタイガーはもの珍らしそうに密林を眺めた。
虎のいるそこは、波打つような凹凸を繰り返す密林の頂上部分に位置し、木立の切れた辺りから鬱蒼たる原生林が続いている。
ベンガルタイガーは「ふう」と息をつき、「やっと出られた・・・・」と感慨深げにつぶやいた。
そのとき彼は知るすべもなく、まさか数十頭にもおよぶ虎たちが自分を捜していようとは・・・・。
それらは湿原を彷徨っていたり、草原あるいは岩場を徘徊していたりと、様々な場所から、彼ベンガルタイガーを追っていた。マンシュタインは男を追っていた。
“ここにいるはずだ……”“やつはここにいる!!”
マントイフェルは主を探していた。
“どこにいるのだ!!”
“この森のどこかに…………かならずいる……”
カンネルは王を探していた。
“王よ、今どこにいらっしゃいますか??”
“あなたがいなければ、私はありません。あなたが往くところ、私はどこまでもついていきます。なぜならば、そこが私の戦場なのですから……”
つぎの投稿まで時間が空くので
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