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リカオンの狩り

リカオンは少数で絶滅も心配されているほどです。
アフリカ全体で5000頭くらいだといいます。
狩りがうまい。待ち伏せもせず、遭遇戦で展開し、しかも扇形です。
なんともうまいんですね。我々人間の基本的戦術であり瞠目しました。
あともう一歩のところで追跡をやめました。
なぜでしょう。
ライオンの縄張りに入ってしまったのです。
ライオンたちはこの騒動にたちまち興味を持ちます。
このまま入っていけば、ライオンはインパラよりも領土を侵犯したリカオンを排除にかかります。
追い出すだけでなく、本気で殺しに来るでしょう。

腹ペコで巣穴の子供のところに戻ったリカオンたちに、こんどはハイエナが近づきます。
ハイエナは何でも食べます。リカオンの子供を狙っているのです。柔らかくておいしそうです。
しかしリカオンのほうが圧倒的に多く、ハイエナは2頭――こっちは十頭、これでは逆にハイエナがやられてしまいます。ハイエナは退散しました。

ハイエナは悪魔の使いみたいな容貌で好きになれませんが、リカオンは可愛く思えました。
人間の犬に似てますね。野良犬のようにただ凶暴ではなく、リーダーの下に統率が取れていて知性的に思えました。

狩りの途中であるメスが怪我を負いました。こうなると一人では生きてはいけません。
死刑宣告に等しい。
でも、リカオンの群れは怪我が治るまで餌を分け与えます。
巣穴に戻ったハンターたちは食べたものを吐き出して子供に分け与えます。
……感服します。

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