それは十数年前のある日へとつながる。
ある雨の日(けっこう寒かった)、軒先に生まれたての子猫が一匹いた。
まるで親猫が「どうか育ててやってください。お願いします。」と言っているかのように、ポツンと置いてあった。
妻の反対を押し切り、私はその猫を育てた。
私は「プトレマイオス」となずけた。
3年ほど育て、数々のエピソードと思い出をはぐくんだ――一生この猫と一緒に生きていくんだと思っていたのに――つらい別れは突然にやってきた。
彼は近所の不良猫グループとの抗争に破れ、ついに自分の家を出る決心をして、放浪の旅に出た。
亡命というのだろうか、難民となってしまったのだ。
それからどれほどあの猫が生きたのかはわからない。おそらく半年くらいではないかと思う。
飼い猫は不器用だ。果たして何日生きられただろうか……。
ある夜、夢を見た。私の枕もとにプトレマイオスがやってきた。まさしくあのときのままのプトレマイオスだった。
おそらくそのとき、あいつは死んだのだろう。
離婚、恋愛とつらい日々が続いたその中での追い討ちをかけるような出来事だった。
何日も何日もたった一人、家の中で泣く日々が続いた。
テレビを見て笑い、廊下にたち、階段を上がり、そしてふいに彼を思い出し、泣き崩れて転げ落ちたときもあった。
その後三年は忘れることができず、立ち直れない日々が続いた。
やがてようやく吹っ切れてあらためて、あのねこは私にとっていったいなんだったのだろうと、ふとしたきっかけで考えさせられるものがあった。
10年以上もたったのち、私にライオンやトラを紹介してくれたのは、ナショナルジオグラフィックチャンネルだった。
私はいまでもライオンや虎を素晴らしい動物だと思っているし、人間よりも素晴らしい生き物だと思っています。
どうしてですか?
人間のほうが頭がいいし、現在のような高度な文明を築き上げてきた。
でも、いったいそれがどうしたというのですか?
人間がなにをしようと、地球にとってはなんですか。
人間が地球にいったいなにをしてくれるのですか?
人間もいつかは滅びます。もっと高等は生命体が進化してくるかもしれません。
地球を滅亡の淵に追いやる人間に、いったい何の正義があるのですか?
動物たちやあらゆる生命体を聞きに追いやり、数々の動植物を絶滅させてきた人類に、いったい何の正義があるのですか?
つぎの投稿まで時間が空くので
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